お別れ

 


「船があっからよ、会いたくなったらいつでもひとっとびだ」
コレル炭坑を再建することになったバレットが出発の朝、ハイウィンドもあれ以来の初フライトとなった。

お別れです。

「お元気で!またいつでもきてください!」
「おう、シエラさん。あんたは恩人だ、呼ばれなくてもおしかけるさ!」

高く差し上げた自慢のギミックを見上げる瞳が、潤んでみえた。
そして当たり前のように、シエラを抱きしめた。
周りにいた誰もが、当然のように見守り、中には涙を浮かべる人もいた。

「あっ、こらっ!テメエきさま何しやがる!」
シドだけはさすがに取り乱してしまった。

「シドの手を離すな、幸せになるんだぞ……すきだったぜ」
小声でささやくと、あっけに取られているシエラの右の頬にわずかにキスをした。

「行こうか、よろしく頼むぜ艇長さん!」

「ぐーーーーっ、発進と同時に突き落としてやる!」

何だかおかしくて、笑っているはずなのに、急に涙がこぼれてきた。

右の頬にやさしさだけが残ります。

ミーナさんて、きっと幸せだったんだろうな…
ごめんね、ミーナさん。

「てめーがぼさーーっと突っ立ってっからいけねぇんだ!!……何だ?泣いてんのか?」
首を横に振るのが精一杯だった。

「やいシエラ!!てめぇの亭主になれるのは、このオレ様しかいねぇんだ、イヤとは言わせねぇぞ!!!」
村中に聞こえる大声で怒鳴るのだけは止めて欲しかった……

 

 

プンプン怒って乗船していくシド、シエラに返事もさせずに船内に消えていった。振り返りもしない、かわりに1度だけ右手を高く上げた。

 

 

つづきがあるぜぃ