「もう一つの英雄達」


「お前ぇらは船を降りろ、でもって自分達の家に帰るんだ」
シド艇長にはそう言われた。
一度は艇を降りたけど、でも僕たちはここに帰ってきた。ハイウインドに・・・。ここが僕たちの”もう一つの家”だから・・・。それに艇長達が戦いに行ってしまったらハイウインドを守る者がいなくなってしまう。僕たちがこの艇を守らなきゃ・・・。
正直言って戻って来ても追い返されるんじゃないかと不安もあった。
けど艇長は迎え入れてくれた。
その艇長は今クラウドさんたちと最後の戦いに向かっている。『きっと勝って帰ってくる』そう信じている。何と言っても”伝説の飛空艇乗り”シド艇長がいるんだから・・・。

でも・・・

「遅いな・・・艇長達」
仲間の機関士が言う。

艇長達が大空洞に降りていってすでに半日以上が過ぎている。
「大丈夫さ、艇長達は必ず帰って・・・」
その言葉を遮るように轟音が響き渡り艇体が大きく揺れ始めた。
「な、なんだ!?」
「見ろ!大空洞が!!」
見ると大空洞から天空に向かい膨大なエネルギーが放出されているのがはっきりと見て取れる。
「ま、まさか・・・艇長達やられちゃったんじゃ・・・」
誰かが言う。
「馬鹿な事言うな!」
そうだ!艇長達が負けるはずがない!しかしこれでは・・・。

『急いで!彼らを助けに・・・』

「え?」
声が聞こえた。女性の声だ。
「おい・・・今・・・」
「あぁ、俺にも聞こえた・・・」
どうやら幻聴ではなかったらしい。

『早く!急いで!!』

再び声が聞こえた。
「行こう!艇長達を助けに行くんだ!!」
皆がうなずく。
「よし!エンジン始動!目標、大空洞内部!艇長達を救出する!」
「了解!」
「ハイウインド号、発進!」
ハイウインドは大空洞へと突入して行く。自らと同じ名を持つものを、
そしてその仲間達を助ける為に・・・。


 

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つかさ☆くん