旅の途中

 

夕暮れ

 


見上げる空にのしかかる赤い星。
コスモキャニオンは残酷な場所だ。
もういくらも時間が無いのはわかっている。
「七日、じゃな。ほほうほうほう・・・」
はっきり言いきられると、覚悟が決まる、とも言えない。人間なんて弱いものさ、星を救う、一体どうやって?

な、打つ手が見当たらない。

何をしたらいいかなんて、都合よく見つかればこんなに苦労しやしない。
魔晄中毒のままのほうが、こうなったら楽じゃないか?
死にゆく恐怖も知らずに済む。

ひそひそ(ナナキ)
『おっきな溜息だね、メテオも吹き飛んじゃうよ。』
ぼそぼそ(ユフィ)
『でもさあ、今日のアンガーマックスさぁ、すごかったじゃん。
 かばうマテリア2個つけてたんだよ。』
ひそひそ(ナナキ)
『見てた見てた、1回のバトルで2連発・・・』
ぼそぼそ(ユフィ)
『ケット・シーさ、転んでたよね』
ひそひそ(ナナキ)
『ケアルガ連発、MPれへん〜』
ぼそぼそ(ユフィ)
れへん〜、とちがうよ、あへん〜』

「うまいよ、ユフィ!」
「あはははは!」

声が高かったようだ、ゆらりと振りかえる顔はきっと怒ってるはずだ。
二人は身構えてカミナリ対策を取った。
しかし頭をかばうユフィとナナキの間を静かに行きすぎる顔は、
逆光に遮られてよく見えなかった。
一言も発しないほうが怖いときもある。
硝煙の香りをほのかに残して、バレットは立ち去った。

大きな背中を見送るナナキは、小声で呟いた。
「ティファ、早くかえってきてくれないかなぁ。」