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明日から出勤です

高齢者専用賃貸住宅のフロントにもぐりこみました。略して「高専賃」、2005年からスタートしたシステムで、今のところおおむね評判が悪いようです

理由は簡単で「有料老人ホーム」の定義から外れているうえに、有料老人ホームの届けは不要、つまり厚生労働省のチェックから離れている、というものだからです。そのとおり、管轄は国土交通省。だから既存の「介護付有料老人ホーム」と同等のサービス規格を求められても、むしろ困るわけです。

ではなぜ厚労省は手を引いたか。これも簡単。2012年3月までに、療養型介護ベッド13万床を全廃する!!と宣言したうえに介護保険財政の悪化が重なったからに決まっています。13万床をなくしたら自宅に帰るだろうなんて、よくもまぁ言えたものです。家に帰れないから「介護ベッド」に居るんですってば。そのうえ、受け皿と見込んだ「新型老健」も予想どおり、配備が進まない。当たり前です、安すぎる危なすぎる主旨が違う。・・・そこでもう、やけくそに近い、その中で比較的省の言うてきたことに方向性で一致する仕組みをひねり出した、のが「高専賃」といわれてもしょうがない。

 明日から勤めるところを、ボロクソに言うのもどうかと思うので少し整頓すると。

◆「高専賃」とは、高齢者が入居することを拒まない住宅(高齢者円滑入居賃貸住宅)のうち、高齢者が生活するにおいて一定のハード面を備えている住宅のこと。都道府県に登録はする。

だから、一般の有料老人ホームに見られる「利用権方式」ではなく、「賃貸借契約」であること。

■入居者の
メリットは「借家人」の権利で守られ、大家の都合では退去を求められない。
デメリットは「在宅介護」となるので、介護度が高くなると負担額が大きくなり経費的に暮らし続けられるかの不安が残ること。ここは介護付有料老人ホームとはまったく違います。「隙間」「臨時」のケアにどこまで対応してもらえるか、見極めが必要と思われる。

■大家の
◆メリットは、何よりもまず人員配置が入居者の状況に合わせて変動できること。介護は経費のほとんどが人件費だからこれは大きい。有料老人ホームの配置となると、3:1を最初からしなくてはならない。入居者がどんな状態で、何人来るかわからなくても配置がないと認可が降りないとはしんどいことだ。同様に、入居者が減っても配置は満たさなくてはならない、これは大変だ。人員配置を満たす費用は、どう考えてもサービスを受けるところに出してもらうことになる。そうなると利用者も結構困るでしょう。
次に介護保険給付に頼らない事業展開を考えられること。対象者の選定ができること。(契約を結ぶかどうか大家が決めるんだもの)。
地域性が出せること。どんな住宅にしたいか、行政の横槍から解放されること、これも両刃とはいえ今までになかった。

◆デメリットはたくさんある(笑)。
一番は店子の居住権が強く保護されているので、たとえば「このような状態になったら退去してもらいます」と契約書にうたっても店子に不利な条項は無効となるから、認められないこと。認知症の重篤で隣近所に迷惑をかけることになっても退去してもらえるか?難しいだろうな。
有料老人ホームの「利用権」とは利用する側にかなり不利。「この状態になったら出て行ってもらいます」なんてこと、利用権以外に認められないわけです。その上法外な入居一時金を出したりする。
出せる人はそういうところを利用すればいいと思う、私は出せない。

★補足:「利用権」
これは契約者死亡または退去で消滅する権利で、子供やらに引き継げないもの。2人で入居している配偶者の一方に、というのは認められているようだが。
メリットは相続の心配をしなくていいこと。このことは当事者には大事らしい。相続税もバカにならないし、財産のある方にとっては、残したからあとでもめたとか、相続するべき親族がそもそも居ないということもあるので、この方式がわりと受け入れられたのかなと思う。
デメリットは、この先何年暮らすかわからない住まいに「入居一時金」千万単位のお金を出すリスクと思われる。大方の有料老人ホームの入居一時金は保全が義務付けられていて、50ヶ月程度の家賃の一部または全部の前払いとなっているので、途中解約となると残り部分を返却されることにはなっている。

■高専賃の課題として
(1)介護保険の給付に頼りきれないので何で稼ぐか考えなくてはならない。今のところ共益費のほかの管理費で、24時間ナースコール対応の人員配置や運営スタッフ(私)の人件費捻出の財源と考えているよう。勿論デメリットはメリットでもあるから、ころころ変わる介護保険制度に頼りきった経営も危ないといえる。
(2)介護度が高くなって、介護保健サービスだけでははみ出すところをどうするか。これは家族や周辺とのやり取りもあるので、当方だけの思案ではないが。
(3)看取りをどうするか。これはきちんと考えておかなくてはならない。

社長はこの住宅を「福祉マンションにしたい」と語った。高齢者だけでなく障害者も入ってほしいと。そして授産施設ともつながってお掃除してもらえたらどんなにいいかと。「親亡き後」に私たちのマンションが選ばれたらどんなに素敵だろう!明日からがんばろう!

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