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緒方貞子さんのこと

  • 2008年10月25日 10:57
  • 日記

 中学生か小学校高学年の頃、「される側からみた援助」(記憶あいまい)とかいう本を手に取ったことがある。
「‥魚を与えるのではなく、魚をとる網を援助してほしい」という内容であったと記憶している。
1970年代すでにこのような主張が、「される側」からはあったことに感じ入る。

さて緒方貞子さん。
彼女の行動力の原点は「怒り」であることに、ひどく共感する今日この頃。
というのも、「怒り」と「わがまま」が区別できないほど、世の中は「怒り」という感情を排除しているように思えてならないのである。妙なやさしさやあきらめ、悪平等のはびこりが原因だ。
 時代を先んじた教育を受ける機会に恵まれ、それを自分のためにだけに収めるのではなく、かように世の中に還元していく彼女の生き方には敬服する。深窓の令嬢であるにもかかわらず、難民支援の最重要課題は「コミュニティの復旧」であると言い当てる。まさに「魚を獲る網とその方法」だ。
 そして協同の先を見据える彼女の目には、軍隊、国家、それらすべてが「使うべき道具」と映っている。戦争反対、平和堅持、そんなことは誰だってわかっていて、唱えるだけでは何の解決にもならないと使い道を明快に指示書に書き出していく。いつ、どのように、使えば難民の命を守れるか具体的に指示を出す。
 
私にとっては、軍隊、国家に対する緒方さんの感覚が非常に新鮮であった。政治学者としての冷静な思考回路に触れることができた1冊となった。

■緒方貞子さんは現在JICAの理事長をされている。
ご挨拶はここから

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